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期待できる仕組みと効果

「防滑塗装」とは書いた字のごとく塗装することにより滑りにくくするという意味ですが、異種材質の篏合面や締結部などへ塗装することにより緩みの発生を阻止します。
弊社の性能試験では、幅広い異種材質に対し効果があります。

試験方法(静摩擦係数値計測試験)

防滑塗装 静摩擦係数値計測試験

物体が他の物体に接触しながら運動するとき、その運動に抵抗する力が働く、この現象を摩擦と呼び、その力を摩擦力という。
摩擦は相対速度の有無により、動摩擦と静摩擦、運動の状態により、滑り摩擦と転がり摩擦とがある。
静摩擦係数とは静摩擦状態、すなわち相対運動を行っていない状態での、2つの物体の接触面に生じる摩擦力と接触面に直角に作用する力との比をいう。
この値は両者の材質、両接触面の状態、例えば仕上げ面粗さ、潤滑剤の有無などで決まる。
各種機械類や自動車の構成部品で、各種摺動部位にあっては摩擦損失を少なくし性能の向上を期すだけでなく、省エネルギーの面からもこの値をできるだけ小さくする各種工夫、改善がされている。

※weblio辞書より引用

静摩擦係数値計測試験

  1. 稼働(上)側と固定(下)側にそれぞれ各種素材を設置固定する。
  2. 20㎏の重りの下にゴム板を両面テープで固定する。
  3. 重りを各種素材板の上に置く。
  4. 重りと巻き上げ機をワイヤーで繋ぐ。
  5. ハンドル手動で巻きあげることによりセンサーモニターに静摩擦係値を測定。

※1~5を各種素材で繰り返す。

試験結果

稼働(上)
固定(下)
AL ゴム SUS 防滑塗装
0.27 0.30 0.60 0.24 0.59 0.29
AL 0.21 0.53 0.64 0.36 0.74 0.33
ゴム 0.69 0.70 0.74 0.95 0.73 0.72
SUS 0.21 0.29 0.57 0.13 0.56 0.24
防滑塗装 0.51 0.67 1.09 0.25 0.75 0.72
0.32 0.45 0.75 0.75 0.67 0.32
  • 20kg重りを用いて試験を実施しました。
  • このデータはあくまで上記表内の素材に対する比較参考値とする。

結果として防滑塗装することにより、他各種素材に対し高い数値が計測できております。

特徴

  • 既存製品のボルトや座金に対し緩み止め効果を付与することができます。
  • ブラケットや特殊な形状の製品に対してもマスキングすることにより部分的に塗装することができます。
  • 異種素材(鉄とアルミ)が篏合する面などへも問題なく塗装することが可能となります。
  • 振動が強い箇所に対し効力を発揮します。
  • すべって困る場所など、幅広い素材に対し塗装することが可能となります。

見込まれる用途

  • 生産ラインのコンベア固定金具への加工(定期点検の頻度を軽減)
  • 設備・乗り物(自動車・鉄道・住宅設備等)などで振動による緩みが懸念される場所などへの加工
  • 座金・ボルトなど既存製品への加工
  • 人が出入りするところで滑りやすい箇所へ加工

実績

自動車分野
エンジンマウント部 固定座金への表面処理
※約11年の実績
生産設備
ラインコンベア固定ブラケットへの部分 表面処理